San Francisco

在校生ブログ_ #44 MBAサンフランシスコに挑戦して感じたこと

皆さんこんにちは。2024年9月からHULTサンフランシスコ校でMBAに挑戦しているShunsukeです。

私は製造業で機械系エンジニアとしてキャリアをスタートし、その後IT業界へ転職。その後、データアナリストとして経験を積み、渡米前はAIプロダクト関連のプロジェクトマネジメントを担当してました。AIやデータに関する貴重なプロジェクトに関わることができたIT業界での約3年間はとても充実した時間でした。

IT業界へシフトする前は、マレーシアの大学院でデータサイエンスとビジネス分析の修士を取得しています。そんな私がMBAを選んだ理由は、アメリカと日本をつなぐプロジェクトににてAIやデータ関連のサービスやプロダクトを活用する挑戦をしたいという強い思いからです。以前の留学がパンデミックの影響で思うようにいかなかった悔しさもあり、今回は改めて「グローバルな環境で自分を試す」という決意でこの挑戦を始めています。

HULTのブログでは、先輩たちがたくさんの有益な情報をシェアしています。ですので、「実際にMBAに挑戦して初めて感じたリアルな経験」をもとに、今回のブログではMBA留学に向けて「準備してきたこと」や、「今まさに感じている効果のあったこと」をできるだけ私の視点からお届けしたいと思います。

HULTのことや現地でのことなど、少しでも興味を持ちましたらお気軽にご相談ください。

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図 1 HULT MBA SF 2024 Fall Members

 

留学前に自己分析を行い自分の価値を言語化しておくこと

得られた成果

  • ボスキャリ経由で1社からオファーを獲得し、年収大幅UP
  • AIやデータ関連ポジションの書類選考通過率100%
  • 現地NPOにてボランティアとしてProjectをリードする機会を獲得
  • AIプロダクトに関するフェローシッププログラムの参加権を獲得

MBA留学の準備として、まず取り組んだのが自己分析です。MBA留学をきっかけに、自己分析の本を2冊読み、そこに書かれていたフレームワークを素直に活用してみました。それに加え、HULTのアルムナイ2名の方にResumeをレビューしてもらい、徹底的に仕上げることができました。自己分析を行った上で自分がどういう人間でどんな価値を提供できるのかということが語れる段階で、アルムナイの方とお会いしたことがとても効果的だったと思います。アルムナイの方々もお忙しい中貴重な時間を割き、私と話す時間を作ってくれていますので準備は大切です。もしアルムナイの方にお会いする機会があれるようでしたら徹底的に準備しておくことをお勧めします。

今はGenAIの台頭もありResumeの文章もNativeライクに書くことは可能です。一方で、アメリカにおける就職やHiring Managerや面接官の目線でどのような文章がより魅力的なのかという観点で書いてもらうのはまだまだ難しいと思っています。Resume1枚あたり見られる時間はご存じですか?たったの6秒と言われています。その限られた6秒で、何を強調し見てもらい、自分が何者かを表現することは簡単ではありません。

加えて、ここまでにResumeを仕上げている前提ではありますが、外資系転職に詳しい現地Hiring ManagerやGAFAM出身の面接のプロフェッショナルにResumeを見てもらうと良いと思います。AIツールでは引き出せない強みを発見してもらうことができます。このプロセスを通して、外資系の面接官の視点を取り入れたアプローチを学び、自信を持って自己PRを強調した競争力のあるResumeができるようになります。

個人的にはResumeは自分の生き写しだと思っています。Resumeを丁寧かつ徹底的に仕上げられないというのは、仕事においても同様にパフォーマンスが低いという印象を与えかねません。現地就職を目指すのであればまずResumeを徹底的に仕上げることを強くお勧めします。

この取り組みが実を結び、ボスキャリではAI・データ関連ポジションでの書類選考通過率100%を達成しています。さらに、オンライン経由で日系企業からオファーを獲得し、留学前に年収アップも実現できています。

また、同時に留学前に自分の課題を把握することができます。私の場合、グローバル環境でのプロジェクト経験が不足していることを現地GAFAM企業で面接をされている方に指摘されました。そのこともあり留学前から、現地でグローバル環境でプロジェクトのリードやマネジメント経験を積むことを目標にし、留学後に素早く行動ができています。結果として、現地NPOでボランティアをリードする機会を獲得したり、AI関連のフェローシッププログラムの参加権を獲得しています。どちらもResume提出と面接を経ており、事前に徹底的に準備したからこその結果です。

図 2 フェローシッププログラム代表とのツーショット

 

この経験を通じて、自分だけでなく他人のResumeを見る機会も増えています。プロフェッショナルやアルムナイの協力を得ながら成長できていることも、私のMBA留学を決断したうえでの大きな財産の一つです。

留学前に事前学習をしておくこと

得られた成果

  • リスニングが苦手でも授業の内容をキャッチアップできる
  • 課題への勉強時間を効率化し、他の活動に時間を割ける
  • 教わる側から教える側へと成長できる

私のMBA留学のスタートは、想像以上にリスニングが難しく、先生が話していることを理解するのに苦労する日々でした。しかし、留学前に各授業の基礎を固めておいたおかげで、全く授業内容が理解できないと感じることはなく、予習・復習で聞き逃した部分を補うことでキャッチアップできています。

学校の授業や課題だけを100%頑張りたいという人には馬の耳に念仏ですが、現地での就職に向けてMBA留学をされている方が多いのではないでしょうか。そのためにも、勉強時間を効率化し、学校外での活動にたくさん時間を充てたいと思ってはいませんか?

私は妻を帯同し留学に来ていますの、学内外イベントへの参加、就職のための自学習、就活だけでなく妻との時間にも十分に時間を割くことができています。そのためにも、留学前に事前学習を強くお勧めします。

具体的に行ったこととしては、留学に行く前に下記の本を読了してました。写真には写ってない本もまだまだありますが。私の場合、特に会計の授業において会計&ファイナンスの本や簿記の勉強はとても役立ったと思います。これまでに統計を勉強したことない方は統計や機械学習のコンセプト程度は触れておいても損はないと思います。

この事前学習のおかげで、仲間に教える機会も増えました。「教わる側」から「教える側」に立つことで、さらなる理解が得られ、英語での説明力も大きく向上しています。

ここから言えるのは、MBA留学では準備が鍵です。勉強だけでなく、他の活動にも時間を割くための効率的な学習が大切だと実感しています。

図 3 留学前に読んだ書籍の一部

 

ここからは留学を開始してから行ったことで、効果があったことをご紹介します。

 

Study buddyを作ること

得られた成果・効果

  • 英語での理解を深め、英語で説明する機会を持てる
  • 理解できている部分と苦手な部分が明確になる
  • 短期記憶ではなく、長期的な知識の定着が促される

MBA生活では、単に試験のために勉強するのではなく、学んだことを将来のキャリアでも活かせるよう長期的に定着させることを目標にしています。私自身、課題や試験対策に追われると過学習に陥りがちな傾向があり、それを避けるためにもクラスメイトと「Study Buddy」を組むことにしました。

仲間と教え合う中で、自分が明確に理解できている部分とそうでない部分が浮き彫りになります。HULTでは多国籍で異業種の仲間たちと学びます。マレーシア留学時のようにITリテラシー(機械学習や深層学習など)が一定以上あるクラスメイトと学習する環境とは大きく異なると感じています。そのため、自分が思っていなかった、また意識していこなかった観点から質問を受けたりすることが多く、それに対応する都度自分の知識がブラッシュアップしていくのを感じています。

また、母国語でも他人にわかりやすく教えることは難しいですが、それを英語で行うのはさらにハードルが高く感じています。それでも、Study Buddyとしてお互いに助け合うことで、「教える力」が鍛えられ、自然と英語力も向上しています。教える行為は、単なる知識の共有ではなく、長期的な記憶定着に効果があると実感しています。

Study Buddyで鍛えたスキルは、グループワークにも役立っていると感じています。自分の知識がチームの課題解決に直結する場面では、自信を持って英語で説明し、必要に応じて軌道修正を提案することも可能です。特に、チームが間違った方向に進みそうなときに冷静にストップをかけ、納得感のある説明をする力が身についたことは大きな成果です。とはいっても、まだまだ表現や単語力が足らず、周りの理解力に助けられている部分も否めないのでもっと努力したいと思っています。

Study Buddyの活動は、単なる勉強の枠を超え、コミュニケーション力やリーダーシップの向上にもつながっています。MBA留学を通じて得たこの経験は、今後も私の成長の基盤になると確信しています。

 

日本人同期との情報交換の機会を作ること

得られた成果・効果

  • 不安や心配事を減らし、安心して学校生活を送れる
  • 専門外の意見や新しい観点を吸収できる
  • 効率的に情報を集め、限られた時間を最大限活用できる

今年のクラスには私を含め11名の日本人が在籍しています。9月に妻と共に渡米しましたが、生活面では不安や未知のことが多く、何をどう進めるべきか悩む場面もありました。そこで日本人同期同士が常に連絡を取り合える場があると良いと考え、Teams上に情報共有のチャンネルを開設し、毎週木曜日に定例ミーティングを行い集まっています。

この場では、授業での疑問点や課題の進め方、クラブ活動、生活の知恵、さらには就職活動に至るまで、幅広い情報が集まってきています。自分はデータやAIに強みを持っていますが、すべてを網羅しているわけではありません。そこで、専門分野であっても意見を聞くことで新しい発見があり、誤解していた知識を訂正する機会も生まれています。

イベント面では、特にサンフランシスコではイベントが数多く開催されており、一人でリサーチしたり興味あるイベントにすべて参加するのはとても難しいです。しかし、事前に興味のある業界や職業を共有しておくことで、同期からイベントの紹介やお誘いを受けることができ、効率よくキャリア探索が進めることができます。

1年という限られた時間を最大限に活かすため、私は「Give and Give」の精神で行動を心がけています。お互いに助け合う姿勢を持つことで、ありがたいことに、私も多くの有益な情報を同期からもらうことができています。

日本人同期との定例ミーティングは、情報を効率よく集め、不安を解消するだけでなく、新しい気づきや発見の場にもなっています。この取り組みを通じて、MBA生活をより充実させ、学びを深めることができています。

下記はサンフラシスコで参加した一部のイベントの写真です。

図 4 Gen AIのイベント

図 5 SF Tech WeekでのAIツールのイベント

 

妻を帯同して留学しにきたこと

得られた成果・効果

  • どんな困難も二人で笑い飛ばせる
  • 精神的にも健康面でも支えてもらえる
  • 妻自身のスキルアップにもつながっている

今回のMBA留学には妻を帯同して渡米しました。留学生活は予想以上に大変ですが、どんな困難も二人で笑い飛ばしながら乗り越えられるのが大きな支えです。孤独になりがちな海外生活でも、常にそばに誰かがいることで精神的に安定し、妻と一緒に健康的な食事も取ることができています。

運よく、渡米後すぐにアルムナイの方からご招待を受けBBQへ行けたり、買い物に連れて行ってもらったりと良くしてもらっています。そういった経験を妻と共有できるのはとても有意義なことだと感じています。

また、妻自身も新しい環境で英語や異文化を学び、スキルアップにつながる経験をしています。サンフラシスコには無料の語学学校があり妻は毎日通っています。ボランティアの機会も多く、妻はチャイナタウンでのナイトマーケットでボランティア活動をしたりと有意義に過ごしています。お互いに挑戦し合い、助け合う日々を通して、二人の絆がさらに深まっているのを感じています。

夫婦での留学は、支え合いながら共に成長する素晴らしい経験です。留学という大きな挑戦を一緒に楽しみ、前向きに過ごすことで、私たちの生活はより豊かなものになっていると感じています。このブログを読んでいただいている方の中にはご家族を帯同させるか悩まれている方もいると思います。金銭面で大変なこともありますが、個人的には無理してでも帯同することを応援したいです。

 

次に、やってみたら効果あったことをご紹介します。

 

シャドテン!自己流のシャドーイングではない

得られた成果・効果

  • リスニング力が向上した
  • 数週間という短期間でも効果を実感できた

MBA留学を開始してすぐに直面したのは、会話がまったく聞き取れないという問題でした。オンライン英会話や外国人に対するボランティアでの経験もあり、発音もしっかり勉強はしていったので、どうせすぐ聞こえるようになるでしょうという過信がありました。実際、1か月たっても改善しませんでした。特に授業やネイティブとの会話では全く聞こえず、壁に直面しました。

この問題を解決するために、同期から紹介された「シャドテン」というサービスを使い始めました。少し高額ではありましたが、聞き取れない状況を続けるのは時間もお金ももったいないと思い、思い切って始めました。

シャドーイングを進める中で、会話において発音が自分の知っている音と異なっていること、単語が省略されたりつながったりすることに気づき、多くの発見がありました。たった2週間の取り組みですが、リスニング力が明らかに向上し、スピーキングも同時に伸びているのを感じます。聞こえたフレーズを自然に使えるようになり、英語のリズムも少しずつ身についてきています。

シャドーイングは今まで続けられなかった勉強法の一つでしたが、シャドテンの助けを借りて、短期間でも大きな効果を実感しています。この経験を通じて、聞く力と話す力の両方をさらに磨いていきたいと考えています。

もし興味ある方は紹介制度がありますので、一声掛けてください。

 

最後に

たった2か月でも、ここに書ききれない経験がまだまだたくさんあります。まだMBA生活は始まって数か月ですが、今投資しているものが将来きっと大きな成果として返ってくると信じて残りの留学生活も全力で楽しみたいと思います!

このブログがこれからMBA留学をされる方、目指されている方、すでにされている方、いろんな方々にすこしでもお役に立てていることを願っております。

大事なことなので再度お伝えしますが、HULTのことやResume作成、現地生活について気になることがあればぜひお気軽にご相談ください!

LinkedIn: www.linkedin.com/in/ssds

次回は、同じSan Franciscoキャンパスに在籍するSushi MasterのItoさんにバトンタッチします!

お楽しみに。