僭越ながら、2025–26年度の在校生ブログリレーのトップバッターを務めさせていただきます。Hult BostonでMBAに進学するKosukeです。これから約1年間、同期のみんなと更新をつないでいきます。今回は、自己紹介とMBAを決意した理由、Hultを選んだ背景、渡航直後の生活、そして就活準備などについてお伝えします。
自己紹介とMBAを決意した理由
これまで日系メーカーとコンサルティングファームで、サプライチェーンや経理を中心に約15年のキャリアを積んできました。USCPAを取得しつつ、英語・会計・ITという三つのスキルを意識して磨いていきながら、「世界中どこでも生き残れる(=働ける)人間になりたい」と強く思うようになりました。
この思いにはいくつかの背景があります。大学の入学式で「大学名や会社の看板に頼らず、例え難民キャンプでも生きていける人になりなさい」という祝辞に感銘を受けたこと、幼い頃から冒険譚やサバイバル小説にワクワクしてきたこと。そして、家族を持ち、子どもに「グローバルに活躍できる人になってほしい」と願う中で、まずは自分自身がその姿を見せる必要があると感じたことです。
さらに、米国MBA生が授業をきっかけに低コストの保育器を開発し、実際に事業化したという事例を知り、ビジネスを通じた社会課題の解決に大きな衝撃を受けました。また、MBAカウンセラーの方から紹介いただいたクレイトン・M・クリステンセン著『繁栄のパラドクス』との出会いも決定的でした。新興国の課題解決にイノベーションがどう貢献できるかを描いた内容に感銘を受け、「自分もグローバル企業や機関で価値を発揮したい」と気持ちを新たにしました。
Hultを選んだ理由
Hultを選んだ一番の理由は、海外就職の再現性の高さです。実際に日本人卒業生が米国で経理や会計分野のキャリアを築いている事例が多く、「自分にも同じ道が開けるかもしれない」というイメージを持てました。
また、STEM MBAの制度を活かして長期的に米国でキャリアを積める点も大きな魅力です。さらに、Hult Prizeをはじめとする「社会課題に挑むカルチャー」に共感し、自分の志向と重なりました。
そして、自己紹介で触れたように、自分にとってビジネスで生き残るための三種の神器は英語・会計・ITというハードスキルです。これらは世界で通用する共通言語であり、だからこそ海外就職を志しています。米国という世界標準の環境でこれらを実践的に磨き、さらに多国籍の仲間と協働することでリーダーシップというソフトスキルと掛け算しながら昇華させられる。その環境があるのがHultだと感じ、進学を決めました。
ボストンに到着して
先日、無事にボストンへ到着しました。渡航して3日目、まだオリエンテーションは始まっていませんが、SIMカード契約や銀行口座の開設、日用品の買い出しなど、生活の立ち上げを進めています。
ありがたいことに、渡航前に先輩方から具体的なアドバイスをいただいていたおかげで、大きなトラブルなく過ごせています。また、同じシェアハウスに日本人の先輩も住んでいて、本当に心強いです。慣れない土地で右往左往しているので、こうした支えがあるのはありがたい限りです。
さらに、ルームメイトにはアメリカ人もいて、趣味の大航海時代のゲームを見せてもらいながら歴史を熱弁してくれるので、自然な英会話の練習にもなっています笑。ちょっとした雑談から学べることも多く、楽しく過ごしています。
(写真①:愉快なルームメイトと)
就活準備は「授業が始まる前に」
MBA生活で欠かせないのが就職活動です。ボストンキャリアフォーラム(通称ボスキャリ)は11月に開催されますが、授業が本格化する前に準備を進めておくのが肝心だと感じています。
実際、日本にいる間にボスキャリの前哨戦ともいわれる「東京サマーキャリアフォーラム」に参加しました。新卒が中心のイベントで中途採用向けのポジションは少なかったのですが、レジュメをひたすら配る“ウォークイン”を続けてみました。泥臭い活動でしたが、意外と複数の企業から反応をいただき、面接や「Keep in touch」につながる出会いもありました。動いた分だけ成果がある、と実感できた経験です。
また、渡航前にはLinkedInのプロフィールを整備しました。Hultの事前ウェビナーでLinkedInやレジュメの作り方を学べたのはとても参考になりました。強みや目指す方向性を英語で簡潔にまとめたことで、現地の会計事務所から声をかけていただき、オンライン面接に進む機会もありました。今ではレジュメと並ぶ第二の名刺として、心強い武器になっています。
(写真②:東京サマーキャリアフォーラムでつけたバッジ)
ネットワーキングで得られたこと
留学準備の段階から、MBA関連の交流会や企業の壮行会に参加してきました。企業との接点を持てたのはもちろんですが、それ以上に大きかったのは、同じ時期に世界各地のビジネススクールへ進学する仲間と知り合えたことです。
地域もスクールもバラバラな人たちとキャリアや将来の展望を語り合うのは刺激的で、くだらない話でも盛り上がりました笑。今でも情報交換を続けており、これからの留学生活や就活において貴重な財産になっています。
今後は、ボストン近郊の学生や社会人が集まる勉強会「ボーゲル塾」にも参加する予定です。異なる分野の人たちと議論し、視野を広げられる場として楽しみにしています。また、ローカルの交流イベントとしては「Venture Café」なども有名で、タイミングを見て活用していきたいと思います。
これからに向けて
まだ授業は始まっていませんが、生活の立ち上げと就職活動の助走を同時に進められるのは今だけだと思います。MBA受験や合格後のネットワーキングを通じて目指す方向性も徐々に定まってきました。今後は、現地の日系企業の経理部門や会計事務所などで自分のキャリアを活かし、日系企業の海外展開に貢献していきたいと考えています。
こうして振り返ると、一つひとつの出会いが自分を形作ってきました。先輩方や同期、友人、カウンセラーの方々に改めて感謝です。また機会があれば、MBA生活のリアルや米国での就職活動の様子をお届けできればと思います。Hultに興味がある方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
次は同じくBostonのAkaneさんへバトンをつなぎます!
(写真③:キャンパスにも近いお気に入りの散歩場所Lechmere Canal Park)