San Francisco

在校生ブログ_#35 Hult(San Francisco)に入学して良かったと思うこと

こんにちは!2022年4月のPre-MBAコースから渡米して、この度MBA(Finance STEM)とBusiness Analyticsのデュアルディグリーを修了しました中田 勝浩(ナカタ マサヒロ)と申します。

 

Hultへ入学する前は、東京国税局にてデータサイエンティストをしていました。

データサイエンスを中小企業のために活用できないだろうかと常々考えていたところ、2022年2月にHultのことを知って、もう一度ビジネスとテクノロジーについて棚卸すべきだと悟り、2022年4月には退職・渡米していました。

今回のリスキリング留学では、転職にあたって相当な紆余曲折があり、決して効率的とは言えないものでしたが、結果として自分のモチベーションの一貫性を崩さず、納得のいくキャリアチェンジができました。

 

今回は、「退職・渡米を即決断してHult(San Francisco)に入学して良かった」という話を軸に据えて、具体的にどのような点が良かったのか、私の紆余曲折を交えながらお話しさせていただければと思います。

 

具体的に良かった点

Pre-MBAコースから入学して良かった!

私の場合、2022年2月にHultの存在を知ってから英語のスコアメイクをする時間的余裕がなかったこともあり、2ヶ月後に始まるPre-MBAコースを通じてHultに入学するか、スコアメイクして翌年度入学に再度出願するかを選択する必要がありました。

結果としてPre-MBAコースからスタートできたことは大正解で、早くからシリコンバレーに現地入りできたことで以下のようなメリットがありました。

 

・現地に詳しくなれる!(=アメリカでの生活・文化に慣れる)

おかげで、どこで買い物をすると安いとか、病院のかかるときにどうすれば良いといった生活の流れを早めに整えたり、いざというときの対処方法を把握したりできました。

また、Pre-MBAコースではEFの寮がありますが、Hult(San Francisco)入学後の住処については別途探す必要があり、実際に現地を見て廻れたのは非常に有意義(※)でした。

※内覧予約の返信が来なかったので、他の人が内覧するところに飛び込みで内覧させてもらいました。私の他にもさらに飛び込みで内覧する人がいて、計3人内覧して3人ともその日のうちに申し込みとなりました。Hult以外の学生も住んでいて、入学時期の直前はひっきりなしに内覧の予約が入るそうです。

・現地シリコンバレーのネットワークイベントに参加できる!

GAFAMで働く人たちと簡単に知り合えることができました。ガチのエンジニアが集まるイベントでなくても、公園で集まってただ雑談するだけのイベントに普通にGoogleのエンジニアが来ます(笑)

またベイエリア住みの日本人(厳密にいうと日本語話者)が集まるコミュニティもあり、現地での就職・進学・生活・子育て等の色々なことを相談できます(ここにもGAFAMで働く人たちが来てくれます!)。

・Hultの先輩へネットワーキングやキャリアカウンセリングを対面で利用できる!

通学されているHultの一つ上の先輩から入学後に覚悟すべきこと(授業と転職活動を並行するしんどさ等)の生の情報を仕入れることができました。Hult入学後は実際に想像以上に忙しく、あらかじめ「想像以上に忙しい」をある程度把握しておくことで覚悟が固まります。

また、Pre-MBA生であってもHultのキャリアカウンセリングを受けることができ、特にUS就職を目指す場合にはマイルストーンを把握するためにも早めにカウンセリングを受けておくことをオススメします(事前にレジュメは仕上げておきましょう)!

 

クラスメイトが良かった!

Hultの学生というとまず国籍での多様性が有名ですね!しかし、あえて日本人学生に限って言及すると、Hultに入学せずに生きていたら会えなかったであろう人たちに出会えたことです!

そのまま働いていれば安泰 or 十分にキャリアアップの狙える企業に在籍していたにもかかわらず、覚悟を持ってHultに来ている方が多く、同じ日本人でもキャリアの多様性を実感できました。

皆さん、業界の第一線で活躍されてきているので、例えば本職としてプレゼン資料を作成されていた方の資料作成方法がすごく参考になったり、転職活動をする上で業界や職種について実際に経験のある人からヒヤリングすることができたり、心強くて頼りになる仲間たちに巡り合えました。

 

教授・授業が良かった!

ここでお伝えしたいのは、一般的な〇〇教授のどの授業が良かったという話ではありません。実は、1st degreeの時にHult修了後にデータサイエンス修士号取得のために他大学院へ出願をしていた時期がありました。その際に、とある教授へ事情を説明したら推薦状の作成を快諾してくれ、大学院出願のスタート地点に改めて立つことができました。残念ながら結果に結びつけることは叶わなかったものの、意気消沈してその旨を教授へ連絡した返しのメールで

Setbacks come in everyone’s life; it no way can disregard the potential in you.

I am confident something would materialize soon; best is waiting for you.

という力強いメッセージをいただき、その後のやり取りでも

No worries at all. I am always there, happy to help in anyway I can.

と重ねて温かいメッセージをいただいたことで、とても気持ちが救われたことを昨日のことのように覚えています。

この出来事は私が誰かの相談に乗る際の原動力になっており、もし今回のブログ記事を読まれてHultに興味を持った方がいらっしゃいましたらお気軽にご相談いただけたらと思います!

https://www.linkedin.com/in/nakatama225/

 

デュアルディグリーが良かった!

前項のとおり進学を諦めることになったため、2nd degreeでは完全に就職活動に舵を切ることにしました。学位の切れ目が1年と0.5年で分かれていたことで集中して就職活動に専念することができ、デュアルディグリーにしといて良かったと後から振り返っています。1.5年で2回ボストンキャリアフォーラムに参加できるのも良い点ですね。

加えて私の場合は特に、すでに国内でMBA(not トリプルクラウン)を取得していたこともあり、トリプルクラウンのMBA(Finance STEM)とBusiness Analyticsの修士号で色を付けたい(外観上、その道の専門性があることを示したい)という思いもありました。

これはAmazon USのデータサイエンティストの求人情報にあるBasic Qualificationsの一部ですが、Business Analyticsもquantitativeなフィールドの学位として認知されていることがわかります。

USでの就職に限らず、日本国内への就職でも外資系企業であればジョブディスクリプションが詳細に書かれていることが多いので、学位として専門性をアピールできることは転職活動の際に一定の評価につながると考えます。

実際、企業面接の際にBusiness Analyticsのプログラムで学ぶ内容ついて説明すると、とても実践的なプログラムだと面接官の方が驚かれていました。

人によっては2nd degree の席を確保していたものの、転職活動に早々にキリをつけて1st degreeで切り上げているパターンも見てきました。このように柔軟な選択ができることもデュアルディグリーのメリットと言えます。

 

一方で、カリキュラムの中身については毎年のように改良が加わっており、前年度とのコンテンツの差異が良い意味で大きく、(先輩から情報を得ていたとしても)想像を超える未知に直面する場合があります(従前のものより難化する傾向があるように思います。)

実際にChatGPTが爆誕した翌年度の2023年度のプログラムからはGenerative AI利用に関するポリシーが迅速に設定されました。

授業によっては以下スクリーンショット(ある課題の指示文の一部)のようにChatGPTを利用する前提となっている等、テックトレンドに対してup-to-dateであろうとするHultカリキュラムの柔軟さを垣間見ることができます。

また、MBAもBusiness Analyticsのプログラムも課題では必ずと言っていいほど、Actionable insightsを求められます。ChatGPTを使えばデータ分析、可視化、機械学習のモデリングといった大抵のことができてしまうため、いかに価値のある本質的なインサイトをビジネス現場へ提供できるかという重要性が一層増しています。

こういったビジネスやテクノロジーのトレンドの変容もあって、自分の中の価値観がエンジニア寄りからビジネスサイドへ、プレイヤー寄りからマネジメント側へと変わっていきました。

 

San Franciscoが良かった!

最後にSan Franciscoの個人的に良かったところを簡単にまとめたいと思います。

・気候に恵まれている!

なんと言っても外せないのは気候です。Weather Sparkで東京都とSan Franciscoを比較した以下の結果をご覧ください。

San Franciscoは最も暑くても日本の9月~10月くらい、最も寒くても11月~12月上旬くらいであることが見て取れます。私は暑い方が苦手なのでSan Franciscoの涼しい夏はとても快適に過ごせました(人によっては1年中寒いと感じるくらいに涼しいです)。

 

・空港、日本へのアクセスに恵まれている!

Hultのキャンパスの中で最も日本に近いのも私にとっては良かったところです。San Franciscoでの住まいからSan Francisco国際空港まで1時間ほど(最寄り駅から乗車時間47分)で到着します。

また、日本に家族を残してきており、セメスターの節目で帰国していたのですが、ZIP AIRのSan Francisco便が就航したおかげで、ANAの特典航空券用のマイルが不足していたときにもリーズナブルに帰国することができていました。時期を選んで早めの予約で、荷物持ち込み料等込み込み片道6万円台で搭乗できます!

※2024年9月に成田空港からSan Franciscoへ戻る場合の運賃

 

・人と人とのつながりに恵まれている!

再現性がなくて恐縮ですが、同じレジデンスにGoogleのソフトウェアエンジニア(通知画面の描画機能を担当するフロントサイドエンジニア)が住んでいることを最終帰国する3日前に知り、速攻で友達になってGoogle San Franciscoのオフィスを案内してもらいました。

 

(↓)社食はもちろんマイクロキッチンの果物やベンダー利用も全てタダだそうです!

 

また、日本人つながりで知り合った別のGoogle USソフトウェアエンジニアの方からはリファラルをいただいていました。

リファラル後30日以内に3つのポジションまでアプライ可能といったことも実際にリファラルをもらえるまで知りませんでした。

結果的にアプライ直後に「ポジションが閉じてしまったよ!」という連絡を受けたものの「また興味のあるポジションが出てきたら気軽に連絡してね!」とまで言ってもらえて、San FranciscoはSerendipity(※)を強く感じられる土地柄だと感じています。

※Serendipity(セレンディピティ):すてきな偶然に出会うこと、ふとした偶然に幸運を掴み取ること

 

転職活動の顛末

最終的に、フィンテック系のスタートアップ(シリーズB・累計約60億円調達)にてCEO直下でAIモデルの企画・運用を行うプロジェクトリーダー的なポジションでオファーを承諾し、この6月から働き始めることになっています!

ほかにも以下のような結果を残すことができ、データサイエンティストとして一定のスキルとマインドセットを備えているという自信につながりました。

・外資系金融機関のデータサイエンティストのポジションでボストンキャリアフォーラム初日朝9時の最終面接を突破→いの一番にディナー招待(内々定)をゲット!

・HRテックのスタートアップ(シリーズC・累計約25億円調達)にて同じくデータサイエンティストのポジションでオファーをゲット!

 

それ以外にもここには書ききれないような山あり、谷あり、深い谷ありな2年間でしたが、なんとか走り抜けることができました(泣)

今後は引き続き、家族をはじめ、私を応援してくれた人生のステークホルダーへ恩返しをしていきたい所存です。

 

以上徒然と書いてきましたが、Hultの良さは伝わりましたでしょうか。

就職だ!→他大学院へ進学だ!→やっぱり就職だ!と後手後手に自分のやりたいことや価値観が移ろいでもHultというフィールドの良さを活かして頑張っていればなんとかなるということを合わせてお伝えしたい次第です!

これを読んだ皆様が少しでもHultへ興味を持ってもらえたら幸いです。

大事なことなので2回言いますが、本当にお気軽にご相談ください!

https://www.linkedin.com/in/nakatama225/

 

次回は、同じくSan Francisco→Dubaiキャンパス在学中のマルさんにバトンタッチします!