Boston

在校生ブログ_#19 Boston MBAの振り返りと卒業後のキャリア

こんにちは!Hult MBA Boston CampusのMikiです。Hultではつい先日の8月半ばに卒業式がありました。We made it! (やりましたね!)

今年度の在校生ブログもラストとのことで、1年を振り返りつつ、卒業後のHult生はどんな状況なの?というところを等身大でお届けしようと思います。色々な場所に出かけるのが好きなので、少しずつボストン近郊のスポットもご紹介します。

 

自己紹介

日本の大学を卒業し、日系金融・外資系コンサルティングで勤務した後、2022年9月にHult Full-time MBA Boston Campusに入学。2023年8月に卒業し、秋から日系金融のNY支店で金融アナリストとして働く予定です。

<チャールズ川>

ボストンの学生の癒し。カヤックやホエールウォッチングも気軽に楽しめます。

 

◎Why MBA

私は、学部で教育学を学び、NPOで長期インターンをした経験から、教育・収入格差の課題解決に強い関心を持っていました。しかし、卒業後はビジネスの視野を広げるため、損害保険会社で法人営業、外資系コンサルティング会社でビジネスコンサルティングに携わりました。

コンサル会社では、新サービス開発グローバルプロジェクトに入り、充実した日々でした。一方、イギリス駐在経験のある上司が、多様な国・部門のステークホルダーを華麗にまとめあげる姿を見て、自身の英語力とグローバル・リーダーシップスキルとのギャップに対し、日本にいては埋まらない壁を感じました。また、ビジネスを体系的に学びたい&夢だった海外大学院に行きたい気持ちと、キャリア教育事業を起業する中で温めていた事業アイデアを形にしたい気持ちが重なり、米国MBA進学を決めました。

<ボストンコモン>

春夏はお花、秋は紅葉、冬はクリスマスツリーや池のスケートリンクを楽しめ、年中賑わいます。ここから始まるフリーダムトレイルツアーもおすすめ。

 

◎Why Hult

Hultに決めた理由は、ダイバーシティ・実践的カリキュラム・キャンパスローテーション等に加えて、最終的に1年制・タイミング・わくわく感が決め手でした。20代×私費×米国MBAを考えた時、Hultの1年制でコストを抑えられる点や豊富なスカラシップは魅力的でした。また、覚悟を決めた年にチケットをもらえたことと、自己表現を苦手としていた私が、拙い英語で面接官に等身大の自分を伝え、それを魅力的だと言ってくれたことにわくわくする気持ちを感じ、入学を決めました。

1年間の振り返り

◎授業

2年制MBAの多くが、1年目に必修科目、2年目で残りの必修+選択科目でより関心ある分野を探求するカリキュラムであるのに対し、Hultはいわゆる必修科目を、9~5月頭にかけてぎゅっと詰め込み学びます。選択科目は、5~7月に4科目取得可能です。

 

<ビジネスチャレンジ5でのプレゼンの様子>

Hultでは、5~6名の多国籍の学生から成るチームで、実際のビジネスケースを使用して戦略を競う実践型授業「ビジネスチャレンジ」が、年間で5回あります。入学当初は英語力不足で毎回撃沈でしたが、必修科目の締めくくりともなる5回目では、思わず早口になり皆に驚かれるほどに慣れ、内容面でもチームに貢献することができたと思います。嬉しいことに、25チーム中トップ6に選ばれ、全MBA生の前でプレゼンし、ゲストのAccenture USA元パートナーとラウンドテーブル(※)をする機会を頂きました。

※円卓を囲み、立場・部署に関係なく意見交換する欧米式ビジネスミーティング

 

<誕生日パーティー>

皆パーティー好きで、毎週のように誰かの誕生日会が開催されていました。

 

◎Hult Prize

私はNPO・ビジネス両方の経験から、社会的インパクトと利益のバランス型ビジネスに関心があり、Hult主催の、国際的なソーシャルビジネスコンテストであるHult Prizeに、チームリーダーとして参加しました。通過はできなかったものの、後に繋がる貴重な学びがありました。

(1)自分には多様な人で構成されたチーム起業が向くと気づいたこと。今、当時のアイデアを実現すべく、MBA生・前職の同僚・日本の学生・日米の教授と準備中で楽しいです。

(2)過去に成功した起業家を中心とした、世界大会の決勝に進むチームが、0→1を作る過程を見られたこと。

(3)ソーシャルビジネスを実践から学び、選択科目で学んだ理論への理解を深められたこと。

<Hult Prizeの様子>

 

そして、一緒に参加した中国人の友人と、切磋琢磨し応援しあえるLifetime Friendshipを築けたことも大きな財産となりました。彼女の底抜けなポジティブさとピュアさ、豊富な外国経験からくる逞しさは、この後米国ならではのトラブルや挫折が重なり辛い時期に、大きな心の支えとなりました。また、卒業後に米国に残って頑張ろうと思う理由と勇気をくれました。

<友人たちと卒業祝い>

数人でアジア料理を作り女子会をエンジョイ

 

◎学校外の勉強会・ネットワーキング活動

卒業後の進路に大きく影響を与えたのが、学校外の勉強会とネットワーキング活動です。授業以外の時間の半分を学内、半分を学外活動に費やし、日本人有志勉強会や、起業に関心ある人が集まる会に、積極的に参加しました。

特に、勉強会では、留学生や日米関係を研究するアメリカ人教授と毎月、日本社会の各テーマに沿って議論し、視野が大きく広がりました。同時に、キャリア教育の国際比較について、多様な分野で前線を走る方々とチームを組みリサーチ・発表し、関心分野を深められました。将来各々の分野で活躍して、また学びあえるよう、次のステージでも頑張ろうと思います。

<Dia Beacon(NY州北部)への旅行>

NY勤務の女性とボストンで出会い意気投合し、冬に一緒に旅しました。NYでの就職チャンスも教えてくれた、姉のような存在。

卒業後のキャリア

Hult生の卒業後のキャリアや米国就活が気になる人も多いと思い、ご紹介します。ボストンの日本人MBA生のざっくりした進路ですが、約20人中、半分ほどはDual DegreeとしてBusiness Analytics/FinanceのMasterを取得するために、来年4月頃まで学校に通う予定です。残り半分のうち、肌感ですが日本就職と米国就職が半々ほどです。

<マイアミへ旅行>

選択科目期間に時間の余裕ができ、ボストンからの旅先として人気のマイアミへ。

 

私は、選択科目をNew York Campusで取得できる制度を活用し、6月からNYに滞在して、米国を中心に就活しました。実際に働く人とネットワーキング(アラムナイ、職種別イベント、日本人コミュニティ等を活用)し、情報収集し、戦略を立てたうえで応募しました。具体的には、a. 米国マーケットにおける立ち位置(1年OPT(※)×非ネイティブ×高度専門スキルなし)b. 短期ゴールc. 就活の効率性を考慮して、a. 日英バイリンガルロール b. 日系大手企業(応募できるビザの種類が増える)c.  金融/コンサルティング/教育業界に絞って就活しました。自己応募や大手エージェント経由に加え、NYで幅を利かせる個人リクルーター複数人と繋がったことで、企業が公にしていない好条件のポジションにも応募できました。

<Hult New York Campusでの授業後>

授業後に教授・クラスメイトとバーでワンドリンク。教授との距離が近いのも米国ならでは。

 

7月〜8月頭に、金融・コンサルティング・人材業界等のNYポジションで複数オファーを頂きました。最終的には、キャリア設計含め全てを伝えた上で評価頂き、業務内容・ネットワーク機会・条件など全てにおいて有難いほどのオファーを頂けた、日系金融の金融アナリストに就職を決めました。

米国就職の場合のポジションダウンの心配をよく耳にするので簡単に共有すると、MBA取得者は、過去実績との繋がりを示せば、未経験職種でもエントリーレベルではなくマネージャー前くらいのポジションで採用されることも多く、非日本人従業員に合わせて実力主義の評価制度が整っており、毎年、昇進昇給の可能性があります(企業・職種によります)。

※1年OPTは米国就活マーケットで最弱。Hultでは3年OPTにするオプションもあります。

 

<New Yorkのハーレム観光>

NYで知り合った教育系事業を起業したアフリカ系アメリカ人に、ハーレムを案内してもらう。とても安全・きれいで、アフリカ文化を感じるディープな街でした。

最後に

私がこの1年間、意識的に磨き、それにより人生が大きく開けた「ストーリーテリング」スキルについて、挫折経験と併せてお話したいと思います。私は日本で生まれ育ち、内向的な性格だったことから、自己表現が大の苦手でした。受験も面接点のある学校を避け、就職の面接でもうまく表現できないことが多く、克服したいけれどやり方がわからず、長年ずっともがいていました。

<友人達とカラオケ>

大きな課題の後に、ボストン老舗の音楽バーでよく打ち上げしました。

 

Hultで90か国以上の学生と接する中で、多くの国ではストーリーテリングを必須スキルとして磨くよう教育され、それを使ってやりたいことを効果的に周知することで、協力者を集めることができると知り、私もテクニカルに学ぶようになりました。Hultのパブリックスピーキングクラブに参加し(積極的な皆に圧倒され)、MBA DeanやCareer Advisor、パブリックスピーキングを長年学んだ起業家やハーバードの学生等に相談したことで、心から腑に落ち、等身大で、分かりやすい、自分の人生ストーリーを磨くことができました。

<BostonのQuincyへ小トリップ>

ストーリーテリングが上手だった友人家を訪ねた思い出。

 

自己表現力が向上したことで、大きなメリットが3つありました。

(1)過去を整理したことで、長期的なキャリア目標が鮮明になり、短期的な目標設定や時間の使い方の判断に迷いがなくなったこと。

(2)自分の目指す姿を具体的に公言することで、関係者や新しい選択肢をご紹介頂くなど、周りの方に応援頂けるようになったこと。

(3)長期的な目線で人生を捉え、心に余裕を持てるようになったこと。私は、卒業後すぐキャリア教育分野に入ることを目指したものの上手くいきませんでした。しかし、目標とする方々の今は、先を見据えた上での5年10年の挫折と努力の積み重ねであると知り、今の挫折は、その先の大きな目標に向かう過程の一つと捉えるようになりました。

<卒業式前日のToast>

沢山サポートしてくれたMBA Deanによるスピーチが感動的でした。

 

次の仕事では、教育事業の起業で一番悩んだ資金調達について、投融資する側の視点が学べますし、経済×雇用の視点や米国就職の挑戦自体が、後に他者のキャリアを支援する上で役立つと思い、結果的には、この就職が今の自分に最適解だったと考えています。内定先に感謝しつつ、働くのがとても楽しみです!また、挑戦は若いほど、早く低コストで花咲くと学び、今後の人生で一番若い今日、一歩踏み出す勇気を、何歳になっても持ち続けようと思います。最後に、これまで沢山の方にお世話になった分、他の方を少しでも応援できればと思うので、何かありましたらご連絡ください。

(LinkedIn:https://www.linkedin.com/in/miki-m/

 

<就活後ワシントンD.C.に一人旅>

徹底して綺麗に作りこまれた街並みと発展した公共交通機関に驚きました。