こんにちは!この度タツヤからバトンを受け取りました、2022年秋からDubai CampusのFull-time MBAに在籍しているYoshiyukiです!私は、MBAのCore ProgramをDubaiで受講し、その後Campus Rotationして、選択科目のSummer Term1をBoston 、Summer Term2をSan Francisco、その後Business AnalyticsのDual DegreeをBostonで受講予定です。MBAのCore Programを修了した2023年5月現在、自身のこれまでの留学体験を振り返ることで、少しでもHultを検討している方の参考になればと思い寄稿させていただきます。
【Why MBA】
まず、MBAを選択した理由ですが、ひとえにキャリアチェンジをしたかったからです。私は、2011年から米系の外資系IT企業の東京オフィスで11年間Salesの仕事をしておりました。自社のProductやServiceを用いて日本のお客様のデジタルトランスフォーメーションを支援する仕事です。仕事内容や待遇、同僚含めて非常に充実した環境だった一方、コロナ禍で自分の将来を色々と自問自答していた中で、他の職種にチャレンジしたい気持ちが芽生え、手掛けていた大きなプロジェクトがひと段落したタイミングで留学を決意しました。外資ということもあり入社時点から基本的にジョブ型で雇用されており、他の職種の経験がなく、留学せずに国内転職するにしてもSales以外の職にいきなりアプライすることは現実的ではないと考えました。また、外資系IT企業の東京オフィスという環境もあり、どうしてもSales以外の職種に与えられる権限が限定的だったことも留学を後押ししました。さらに、当時35歳という自分の年齢も考え、以前から憧れのあった海外MBAに挑戦することにしました。
LinkedIn:https://www.linkedin.com/in/yoshiyuki-watabe-00742151/
【Why Hult】
その中でHultを選んだ理由は下記の3つです。
- 一年半という短期間で2つの修士号が取得出来ること
- 実践に重きを置いたプログラムであること
- 圧倒的に多様性のある環境であること
35歳という自分の年齢を考慮した際に、自分が欲しいものをより密度濃く得られる環境を探し、上記3つの理由からHultに進学することに決めました。言わずもがなテクノロジーやGlobalという視点を無視することは出来ないご時世で、かつ、学んだことを就職後すぐに実践で使えることを重視しているHultは、自分の志向に非常にマッチしました。多様性についても、他のビジネススクールでは裕福な白人が過半数を占めているケースも少なくなく、世界中にキャンパスを持ち、一カ国からの生徒数についても上限を儲けているHultの方がより多様性があると感じました。
【Why Dubai】
その中でCore ProgramにDubai Campusを選んだ理由は下記の2つです。
- 米国以外の価値観に触れたかったから
- Dubaiスタートでも結局3年間の米国OPTが取得出来るから
1についてですが、自分は米国企業に勤めていたのと、幼少期に5年間米国に住んでいたことが影響しています。中国やインドの台頭など、もはや米国一強ではない時代に、宗教含め全く異なるプロトコルで動く国に身を置いて生活してみたい気持ちは以前からありました。中でも世界中の投資マネーを集め成長著しいDubaiで生活してみることは非常にexcitingだと感じましたし、学校の外から学ぶことも非常に大きいと考えていたため、Campus Rotationの仕組みを最大限利用しようと考えました。また、2について、Hultのセールスポイントの一つとして、STEMを活用した卒業後の3年間の米国OPTがありますが、MBA Core ProgramをDubaiでスタートしても、Summer TermとDual Degreeを米国で過ごすことで申請資格を得ることが出来るため、米国就職の道を残すことが出来るというのも理由の一つです。
その他、Dubaiに来てみて気づいた利点が追加で5つあります。
- クラスサイズがちょうど良い
- みんな若くて頑張っている
- Visaが比較的緩い
- インフレが比較的マシ
- 安全
クラスサイズは年にも依るため一概には語れませんが、2022年秋入学の例で言いますと、Dubai CampusのFull-time MBAは55人クラスで、日本人は私含めて2人でした。米国のCampusは大体2倍の規模で、よりコンパクトで日本人の少ない環境を希望する方にはDubai Campusは向いていると思います。
また、Dubaiは住んでいる人の80〜90%が海外からの移住者で、Emiratiと呼ばれる元からUAEに住んでいる人は非常に少なく、みんながマイノリティなので疎外感を感じることもありません。Web3や仮想通貨関連含めて法律が比較的オープンなこともあり、多くの人々が国外から仕事を得に来たり何かを学びに来ていたりと何らかのチャレンジをしており、年齢も20、30代が大多数で非常に若く勢いがあります。また、Visaが開かれているのも魅力です。日本人だとあまり意識する機会がありませんが、米国やイギリスでは銀行残高や政治的状況などVisaの要件が厳しく、申請しても断られてしまうケースが少なくありません。その観点から、Hultの中でも特にDubai Campusは多様性に溢れていると思います。また、私事ですが、一緒に来た妻は、観光Visaで入国後、当初は語学学校への通学を考えていたものの、Dubaiで就職活動を行いこちらで就労Visaを取得して仕事を得ることが出来、キャリアを中断せずに済みました。家族帯同で留学する方にとってはこちらもDubaiを推せる魅力の一つだと思います。
そして、生活費が米国、イギリスと比較して安価なことも魅力です。インフレの影響が比較的少なく、現地通貨AEDと固定レートであるUSDを使って家賃や日々の生活費を全て決済することで円安の影響も可能な限り抑えることが出来ました。また、ドバイは驚くほど安全です。政府がしっかりと管理していることもあり、深夜に女性が一人で街中を歩いていても身の危険を感じることはほとんどなく、むしろ日本よりも安全だと感じました。
日本の報道の問題もあり、Dubaiに怪しいイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれませんが、来てみると全くそのようなことはなく、むしろ可能性しか感じません。2023年年初にDubaiの首長がこの先10年間で1000兆円規模の投資も発表しており、サウジアラビアなどを含めた中東諸国のこの先の発展を考えると、この土地に住む経験が出来たことは自分の人生において非常に大きな財産になりました。面白い場所には、若者・よそ者・変わり者が集まると言いますが、まさにそれを体現しているDubaiですので、興味のある方は臆することなくチャレンジしていただければと思います。
【苦労したこと】
他の日本人の方々も語られている通り、英語と多様性には当初苦労しました。自分は、授業が始まる前に2ヶ月、Dubaiにある語学学校のES Dubaiに通って英語のブラッシュアップをしてから臨んだのですが、それでも当初は思うように発言が出来ませんでした。授業内容の予習復習や個人課題は、翻訳ツールなどを上手く活用することで幾らでも対応出来るのですが、特に苦労したのが授業中の発言とグループでのディスカッションです。日本人全般に言えることだと思いますが、英語力というよりも、自分の意見を主張することに慣れておらず、思っているのに自分の考えが言えなかったり、声の大きい他のチームメンバーの意見に流されてしまったりする状況に苦労しました。仕事でも英語は使っていたのですが、上司部下の関係もなく、使うITツールも異なり、メンバー毎に職種も決まっていない完全にフラットな状況で、かつ、世界中から考え方も価値観も異なるメンバーで集まり議論して成果物を作るというプロセスには想像を超える苦労がありました。
【得られたもの】
書ききれないほど多くのものを得られたのですが、キャリアチェンジをしたくて留学をした自分にとっては、自分がやりたいこと・自分が出来ること・社会が求めていること、の3つの解像度を大幅に上げられたことが最大の収穫でした。ビジネスに関する幅広い科目を世界中から来たクラスメイトと受講する中で、自分の興味はどの領域にあるのか、Globalで比較した時に自分が持っているスキルで強みに出来るものは何なのか、日々実際に体験して自問自答を繰り返す中で、留学前よりも格段にクリアにすることが出来ました。頭だけを使って導き出した答えよりも、実際に自分で学んで体験して自分の身体的な感覚含めて理解出来たことは大きな価値でした。
【未来のHultianに向けて】
私の留学はまだ前半戦が終わったところですが、現時点ですでに、留学の意思決定をして本当に良かったと感じています。日本社会を否定するわけではないのですが、自分にとって意心地の良いコンフォートゾーンに居続けると、その場の雰囲気に従ったり目の前に敷かれたレールを走ったりすることに慣れてしまい疑問すら持たなくなります。それはまさに自分で意思決定しているようでさせられているような状況で、気づくと自分自身のことが分からなくなります。それが、コンフォートゾーンを出てみると、自分自身や日本社会のことをより多角的・多面的に見られるようになり、良い意味で自分の中の当たり前が壊されるので、固定概念に囚われることがなくなり、全ての物事を主体的に判断していけるようになります。人生は一度しかありません。気づいたら機を逃していた、とならないよう、この記事が少しでも多くのコンフォートゾーンを出ようとされている方々に届けば幸いです。
次はBoston Campusのユーイチにバトンタッチします!