ボストンにて、今年MBAを卒業したMomoです。
「たった1年で人生は変わるのか。」
正直に言うと、劇的に何かが変わったというより、自分自身と深く向き合い、自身の大切にしたいことや価値観が少しずつ変化した1年でした。
この記事では、ボストンでの暮らしや、Hultで得た国際的な学び、そしてアメリカ就職に向けて考え、行動してきたことについて、1年制MBAを終えた今の視点からお伝えできればと思います。
- ボストンがどのようなところか知りたい人
- Hultに来るか迷っている人
- アメリカ就職を考えている人
に向けて、少しでもこの記事がお役に立てばと思います。
ボストンという街の魅力
Greater Bostonと呼ばれるエリアは、歴史的な街並みが多くあり、自然も身近にある大変住みやすい場所です。チャールズ川沿いを歩けば自然を感じられますし、電車に乗ればForest Hillsなど緑豊かなエリアを散策することもできます。個人的には、チャールズ川沿いに広がる朝焼けや夕焼けは、「何度見てもボストンに恋をする」、それほどまでに大好きな景色で、おすすめです!
少し足を伸ばせば、北はNew Hampshire、南はCape Codなど、さらに自然が広がっています。車がなくても、電車でボストン市内を回ることができるので、そういった意味でも、暮らしやすい街だと感じています。
また、学生の多い街ということもあり、私自身は比較的安心して過ごすことができました。特にHultのあるケンブリッジ周辺では、生活する中で大きな危険を感じる場面は少なく、居心地の良い環境だと感じました。
さらに、Harvard・MIT・ボストン大学など数多くの大学があるエリアだからこそ、学生や教授との距離が近いのも大きな魅力です。実際に私もMITの教授とつながる機会があったり、HarvardのMBAの授業を聴講したりと、視座が上がるような、刺激を受ける時間を過ごすことができました。
来てみて驚いたのですが、ボストンには他の国やアメリカ国内のさまざまな地域から移り住んできた人が多く、かなり多国籍な場所だということでした。Hultの外に出て、ネットワーキングに参加して出会う人たちは、アフリカのウガンダやヨーロッパのフランス出身だったり、アメリカ国内でも西海岸や北中部、お隣のコネチカット州出身だったりと様々でした。多国籍な街だからこそ、新しい土地での暮らし方や人とのつながり方、就活の進め方まで、アドバイスをくださる方々がたくさんいて、本当に支えてもらった日々でした。改めて、感謝しています。
もしボストンに来て心細さを感じることがあっても、少し勇気を出して自分から心を開いてみると、きっと寄り添ってくれる人たちに出会えるのではないかなと思います。
写真① Hult校内から見た美しい景色
写真② オレンジラインに乗って行った先のForest Hillsの自然
Hultでの学び(クラスメートとの出会い)
Hultは、1年制MBAであること、そして国際色豊かなことが魅力の一つです。その多様なバックグラウンドを持つクラスメートに出会えたことが、私にとって1番大きな収穫でした。
国籍は本当に様々で、日本と隣国の中国や韓国から始まり、フィリピンやベトナムなどの東南アジア、イスラエルやサウジアラビアなどの中東、ヨーロッパ、アフリカ、ブラジルやコロンビア、チリなどの南アメリカまで。彼らとともに過ごす中で、それぞれの国の価値観や文化、時には政治や制度、歴史、国同士の関係性といったセンシティブな話題についても話すことができ、教科書やウェブサイトでは学ぶことができない、生きた知識に自分の身をもって触れられたことが、大きな経験となりました。ビジネスの視点においても、ファイナンスや投資、地政学、テクノロジー、さらには市場とその構造まで、様々なテーマについて、各々の異なる視点から話し合えたことは非常に刺激的な時間でした。
一方、多様なバックグラウンドを持つクラスメートと学ぶ中で、意見の違いを尊重しながら、皆が納得できる着地点を探していく難しさも感じました。そうした中で、英語で自分の考えを十分に伝えることに課題を感じる自分が、どのように価値を発揮し、チームに貢献できるのかを考える場面も多くありました。その難しさも含めて、短期間で多くの学びや課題に向き合う1年制MBAだからこそ、対話を重ねながら互いの違いを理解し、協働する経験はとても濃いものだったと感じています。
クラスメートがいなければ、このMBAは成り立たなかったと思えるほど、皆との出会いはかけがえのないものです。どんな時でも学びをシェアし、寄り添い、支えてくれた仲間に、心から感謝しています。新たな視座やインスピレーションを与えてくれた皆との出会いは、これから先も私にとっての大切な財産だと感じています。
写真③ クラスメートとの写真
アメリカ就職について
私はアメリカ就職を第一希望に、MBAをスタートしました。その想いは時に揺らぐこともありましたが、MBAやこの1年アメリカで生活する中で、より強固なものとなりました。
アメリカに来た当初は、これまでの経験とは異なるHR領域へのキャリアチェンジを目指していました。現地のHRコミュニティに参加したり、ネットワーキングやコーヒーチャットを重ねたりしながら、レジュメやLinkedInのアップデートを随時行い、ボストンキャリアフォーラムにも参加していました。そうした中で、「経験のある分野でなければ現地就職は厳しい」ということを痛感しました。
ボストンキャリアフォーラムでは、日本就職のポジションから現地就職のポジションまで幅広く見ていましたが、いくつか面接やディナーチケットをいただいたり、名だたる企業のブースの説明会を聞いたりする中で、「自分は本当に何が欲しいのか」深く考えさせられる大きなきっかけとなりました。自身がアメリカに住み続けたいのか、住み続けるとしたらその意味は何なのか。日本に帰国したいのか。生活水準を保ちたいのか、給与を優先したいのか。また、アメリカで働くとなった場合も、田舎でゆったり暮らしたいのか、情報へのアクセスがしやすい都市部がいいのか、多国籍な環境を求めているのか。自分がどんな場所や環境で働きたいのか、生活面から見つめ直す機会にもなりました。そうしてボストンキャリアフォーラムをはじめ、面接を重ねる中で、あるいはインターンを通して、何度も同じ問いに立ち返りながら、自身の考えが定まっていったように思います。インターンをする中で、「自分は毎朝どんな景色を見て通勤し、仕事をしたいのか」と考えたとき、やはりアメリカで働きたいという思いが、最終的な決断につながりました。
2〜3月頃からは、HRという軸から、少しずつ自分のこれまでの経験を活かせる分野へと、希望職種を切り替えていきました。そうした経験の中で、アメリカ就職は日本人にとって特に戦略が問われるということを感じました。日本国籍を活かしたいのか、そうではないのか。行きたい分野や企業に行けなかったとき、次に自分が優先するものは何なのか。そうした問いに向き合いながらも、最後は運とご縁とタイミングの部分も大きいのだと思います。
就職において、場所・業界・職種の3つを同時に変えることは難しいとよく言われていますが、実際にクラスメートの中には、それらを叶えている人がいました。不可能ということはなく、本当に自分次第なのだと思います。諦めずに、後悔のないよう行動し続けることが大切なのではないかと感じました。
この1年間の中で実施して良かったなと思うことは、コーヒーチャットを通じて興味のある分野の人と繋がり、自分の興味関心を探りながら、今後どんな道に進みたいのか、改めて考えられたことです。日本に比べると職種の選択肢も広いように感じており、だからこそ、気になる分野の人には積極的に声をかけ、話をすることを心がけました。この機会を通じて、より一層自分自身を知り、短期的ではなく、長期的な視点で将来を見つめられたことも、大きな学びだったと思っています。
1年を経て、今思うこと
1年という時間は、あっという間でもあり、振り返ってみれば、紛れもなく色濃い時間でした。
1年をどう過ごすか、それは自分が何を目的にするかによって大きく変わるのだと、強く感じます。アメリカで就職したいのか、キャリアにおいてステップアップをしたいのか、起業家や投資家としてネットワークを広げたいのか、それとも海外生活そのものを経験したいのか。私の場合は、アメリカ就職という大きな目標があり、その目標を掲げながら、自分の武器や日本人としての強み、自分が何を優先したいのかなど、自身と向き合う1年でした。
こちらに来てから、日本食やアニメ、野球など、日本にまつわる話題を口にすると、誰かが笑顔になる瞬間があって、日本という国籍や日本人であることの強さを実感しました。
最近、ハウスメイトから”Life is not linear”(人生は一直線ではない)という言葉をもらいました。この1年がそうだったように、これからの人生でも、思い描いていた通りにいかないことは、きっとたくさんあると思います。それでも、自分の目的や、本当にやりたいことを見失わなければ、時間はかかっても”you will find the way”(きっと道は見つかる)。自分の目的を見失わずに頑張っていこう、そう思わせてくれる言葉でした。
改めて、この1年で出会い、支えてくださったすべての方々、そしてここに来るまで応援してくださった皆さんに、心から感謝しています。別れは寂しいですが、卒業式前のToastの中でもあったように、”Come here alone, leave here not alone”(一人でここに来ても一人で去るわけではない)。MBA卒業は終わりではなく、ここからが新たなスタートです。これからの出会いも楽しみにしながら、自身がたくさんの人に助けてもらったように、今度は私がオープンに心を開き、誰かの力になれたらと思っています。
2026年卒業の皆さん、お疲れ様でした!そしてご卒業おめでとうございます。
写真④ 最後は、チャールズ川の大好きな景色で締めくくりたいと思います。