Boston

在校生ブログ_#60 ボストンMBA生活の振り返り

こんにちは、ボストンキャンパスで MBA に通っている Megu です!この度は、今年度の在校生ブログの締めくくりとして私のボストンMBA生活の振り返りをさせていただきます。

 

自己紹介

皆様初めまして、Boston キャンパスでMBAを専攻している Megu です。日本で四年制大学を卒業後、バイクメーカーでアフターセールス部門の海外調達・在庫管理担当として約5年間働いてきました。当時は主に東南アジアや北米のクライアントと連携し、コスト削減や納期短縮などの改善活動に取り組んでいました。20 代後半になったとき、このまま業務担当者として終わっていいのか?と違和感を感じ、現場に入り込むことは得意でしたがより大きな視点で物事をとらえたり、チームや組織をリードするには自分の視野が狭いと痛感していました。

 

なぜ MBA?(Hult に決めた理由と感想)

私のキャリアはサプライチェーン分野、特に調達・在庫管理の領域なので、他大学のサプライチェーン修士とも迷いました。当時の仕事では現地との折衝や調達最適化、在庫過不足の調整など課題解決に手応えは感じていましたが、この課題はもっと上流にある構造的な問題が根本原因ではないか、 と感じていました。例えば、調達の遅れの背景には開発スケジュールの遅延や営業部門との連携不足があり、部分最適ではなく全体最適を見据えた判断ができる視点が必要だと思い MBA に進むことに決めました。

 

Hult を選んだ理由とその後の変化

実は Hult は第一志望ではなかったんです。バックグラウンドである製造業が盛んなアメリカ南部の大学を受験しましたが、残念ながら不合格。Hult への進学を決意しました。今は本当に Hult を選んでよかったと感じていて、その理由は以下3つです。

  1. 実践的な授業がとにかく多い! コア授業の様子は他の方々も投稿しているので、私が受講している選択科目の中から2つ紹介します。 1) Customer Acquisition:この授業では顧客の心理を読み解き、Customer journey を設計し、それに合わせた SNS 投稿や SEO コンテンツを実際に自分たちで作成しました。KPI 設定や顧客行動分析なども含め、マーケティングを机上で学ぶのではなく、手を動かしながら身に着けるスタイルでした。更にグループ課題では実在会社を対象に、企業の中長期目標に基づいたプロモーション戦略を提案。SNS の投稿内容まで細かくつめてプレゼンしたのは、これまでにない経験でマーケティングがぐっと身近に感じられました。授業は3日間の超集中講義でしたが、教授は他大学でも教授を務めていたり、自ら SNS で発信もされている方で理論と実践の両面からアドバイスをくれたのも印象的でした。(授業の様子)(グループワークの様子)2) Algorithmic trading in Python:金融やプログラミング未経験だった私が特に不安を感じていた授業。でも結果的にこの授業を通して投資への新しい世界に扉が開かれたような感覚を得ました!授業内容は、投資戦略理論の講義→Python での実装→チームでの演習という流れで進み、 MBAN や MFIN の方と同じチームになりました。他のクラスでは同じ専攻同士でチームが組まれることが多いので、自分にない専門性の方々から多くを学んだ経験でした。チームメイト、それから毎授業後にオフィスアワーを2時間も設けてくれた教授、CA(卒業生のサポーター)の手厚いサポートのおかげで、初めての Python、初めての金融という壁でしたが理解を深めることができました。※他の授業ではオフィスアワーや CA によるサポートはとても限定的です。質問がある場合は授業後に教授を捕まえて行うのが通常です。
  2. ビジネスチャレンジ 他の方のブログにも記載がありますが、各セメスターの最後に行われるビジネスチャレンジは毎回リアルなビジネス課題に挑む1週間です。私にとっては、自分の成長を実感できる最高の機会で大好きな科目のひとつです。例)ビジネスチャレンジⅢ:サステナブルなビジネスモデルを考え、AI とローコード開発ツールを活用して機能的な MVP(Minimum Viable Product)を構築し、最終的に様々な業界の経営陣の前でプレゼンするというもの。ビジネスチャレンジⅣ:クライアント企業に AI を活用したビジネス戦略を提案するもので実際の課題を分析し、財務・実行可能性・リスクなどを考慮した解決策を 8 分間のピッチ形式で発表。提案内容は、競争環境分析や ROI 評価、AI 導入の倫理的配慮など多角的な視点を含み、実践的かつ説得力のあるビジネス提案が求められました。始めは経営陣の求めていることがわからず何を発表すべきかと迷いましたが、数をこなすごとに自分がチームにどう貢献できるかを考えて発言・行動できるようになっていきました。スキルが得られただけでなく、メンバーからのピアレビューを通して、「協業や柔軟性、聞く力において非常に高い」と評価された一方「自身をもって意見を述べること、対立の場面でリーダーシップを発揮するともっとよい」という新たな課題にも気づかされ、グローバルなリーダーになっていくために強みと伸ばすべき点に向き合えた貴重な機会でした。
  3. Mixer・キャリアイベント 最後の魅力は頻繁に開催されるにキャリア系イベントです。下記写真のような女性のビジネスリーダーやマーケターによるパネルディスカッションが行われるなど、刺激的なセッションが盛りだくさんです。終了後は登壇者と直接カジュアルに話せる時間があり、アメリカでキャリアを築きたい私にとってリアルな人脈づくりの場となっています。「どのようにして今の会社に就職したのか?」「どんなキャリアを築いているのか?」などの答えが直接きけるのでとても貴重な機会です。

 

ボストンでの生活

ボストンでの生活も私が「Hult を選んでよかった」と思える理由のひとつです。確かに生活費が他の地域と比べて高めですが、その分得られる経験が圧倒的に多く、刺激を受けながら過ごしています。

  1. トップ大学との交流 ご存知の通り、ボストンにはハーバード大学、MIT、タフツ大学など、世界屈指の名門校が集まっています。以前、私は2日間にわたる Hackathon イベントに参加し、MIT の MBA 生、MBAN 生、 Northeastern University のマスター生とチームを組みました。GitHub と Lovable といったアプリ開発ツールを使って、限られた時間内で自分たちのビジネスモデルに沿うアプリの MVP を開発。夜遅くまで議論と試行錯誤を繰り返しながら納得のいく MVP を完成させた経験は非常に実践的で学びの多いものでした。賞には届きませんでしたが、国籍も学校も専門も異なる多様で優秀なメンバーと協業できたことはボストンという地でなければえられなかった貴重な経験だったと思います。
  2. ネットワーキングイベントの豊富さと刺激的な出会い! トップ大学や大企業が集まっているからこそ、多様な業界のカンファレンスやネットワーキングのイベントが日常的に開催されており、プロフェッショナルとのつながりを築けるチャンスがあふれています。例えば、ハーバード大学で開催されていたカンファレンスでは、グローバル企業でキャリアを築いてきた女性リーダーたちがどのようにリーダーシップをとっているかの講演を聞いたり、Amazon などの採用担当者(メンター)と直接つながる機会がありました。ロボティクス系スタートアップが集まるピッチイベントでは、各社が自社の魅力を全力でプレゼンしていて、自分の専門外の分野であっても最新技術やイノベーションの現場を肌で感じることができます。このようにボストンには、様々な分野の知見や最前線のアイデアに触れられる環境が広がっており、日々とても刺激を受けています。まさに、「学びと出会いが交差する町」だと思っています!

ボストンの土地柄でない製造業への就活について

私は米国就職を目指しており、製造業のサプライチェーンでのポジションを志望しています。国際学生いう Visa や言語の壁がある中どのように就職活動をしているかを簡潔にまとめます。

  1. 製造業イベント(AutoTech 2025)に参加 人との繋がりを築く上で実際に対面で話すこと以上に効果的な方法はないと感じており、製造業の中心地であるデトロイトで開催された「AutoTech2025」に参加しました。このイベントではグローバル自動車産業のトレンドや課題についてトップ企業の幹部から直接話を聞けるパネルディスカッションや、女性リーダー向けのワークショップ、さらには参加者同士のネットワーキングセッションが数多く用意されていました。イベントを通じて、多くの企業のプロフェッショナルな方々と直接お話することができ、後日コーヒーチャット(=仕事やキャリアに関するカジュアルな 1on1 の会話のこと。実際にコーヒーを飲みながら行うこともあるのでこのように言われています)など次のチャンスにつながる出会いもありました。
  2. Hult のキャリアアドバイザーに相談して得られた実践的な学び Hult では各専攻(メジャー)に専任のキャリアアドバイザーが一人ずついて、MBA の担当は Mark Newall さんというとても明るく親しみやすい方です!私は Linkedin のプロフィールやレジュメ添削についてアドバイスをいただきました。彼と話すといつも「あなたはすごいことやってるよ!」と前向きな言葉をかけてくれるので、自然とモチベーションがあがる時間です。もう一人 David Lee さんにも頻繁に相談していて、彼は「なぜ製造業なのか?」「なぜそのポジションを目指すのか?」というような本質的な問いかけをしてくれて、私の志望動機を深く掘り下げてくれるサポートをしてくれます。更に、就職活動の進め方についても非常に具体的なアドバイスをくれて、就活全体のスケジュール設計、志望企業・ポジション・アプローチしたい人のリスト作成、コーヒーチャットやネットワーキングイベントでの効果的な会話のコツ、など今すぐ行動できる内容が多く、実践に直結するサポートだと感じています。そして、面接対策として私は Ben Russell さんにサポートをお願いしています。模擬面接を通じて、英語表現の自然さや回答の長さ、内容の構成などについて細かくフィードバックいただけるのでとても助かっています。特に「こういうエピソードを加えると説得力が増す」「この言い回しがネイティブらしい」など実践的かつ具体的なアドバイスが多く、自信をもって面接に挑めるようになりました。

これからMBAを目指す方へのメッセージ

Hult での生活は挑戦の連続ですが、その分だけ確実に自分が変わっていくのを実感できる毎日です。30か国以上のクラスメイトが集まり、国籍もバックグラウンドも違う仲間とともに切磋琢磨し、悩み成長する経験は、ここでしか得られない、刺激的で貴重な時間です。1年間だけなのが惜しいくらいです!英語や環境に不安がある方もいると思いますが、サポートは充実しており、行動した分だけ成長とチャンスをつかめます!私も最初は不安だらけでしたが、ここでの生活は非常に満足しているので、みなさんも自分の直感を信じてがんばってください!