皆さん、こんにちは(おはようございます、こんばんは)。MBAN BostonキャンパスのWataruです。
MBAに比べてMBAN一本の記事が少ない(?)気がするので、MBANに興味のある方の参考になればと思い、記事を書かせていただきます。思いつくままの乱筆ですが、何かシェアできれば嬉しいです。また、内容はあくまで一個人の感想と思っていただければ幸いです。
自己紹介(なぜMBAN? Hult?)
日本では外資・日系金融、コンサルといくつかの会社を経験しましたが、一貫して経理・財務まわりを担当していました。経理・財務はもちろんですが、コンサルでも膨大な財務・非財務データを扱うことになります。このご時世、どんな仕事についても、データに触れないことはないと思いますし、扱うデータ量は増加の一途ではないでしょうか。
その中で、もっと効率的に、そして効果的にデータを処理し、役立つインサイトを取得したいと思い、MBAN入学を決めました。要は、さっさと仕事を終わらせる能力を身に着けたいと思ったわけです。また、以前香港でMBAを取得しているので、HultではMBAN一本でいこうと思いました。
実は、Hultに来る前に、カナダの大学院でMBANに入学しており、一学期のみ修了後にWithdrawし、Hultに入学しなおしています。ですので、Hultと他のMBANの比較も後ほどしたいと思います。
Hultに入学を決めた理由はタイミングとElectivesクラスです。カナダの大学院を退学したのが8月、Hult入学が翌月の9月なので、柔軟に出願を受け入れてくれたのがHultでした。急すぎて、ビザの取得手続きなど毎日徹夜でした。。。Financeもアカデミックに学んだことがなかったので興味があり、Electivesで多くのFinanceクラスが取れそうだと思ったこともHultを選んだ理由です。
英語力ですが、香港MBAが英語だったことと、仕事でもたまに使っていたので、大丈夫かなと思っていました。が、それなりに(特にリスニング)に苦労はしました。そしてまだしています。ただ、MBANという特性上、概念的なディスカッションはそこまで多くないので、何とかなります。
MBANについて
MBANは主にPython, R, Power BI, Tableauやちょっとしたデータサーバを使用し、データフレームの作り方やデータからインサイトを取得する方法を学びます。分析は数字データから財務情報、顧客情報、サプライチェーンなどの分析や、数字以外の文字データなどの情報からトレンド分析など多岐にわたります。
データの取得、処理、分析とビジュアライゼーションによる効果的な提示といった、一般的にデータ分析と聞いて想像できることから、データ分析を効果的に進める知識としての統計学やデータに対するバイアスや倫理的思考という概念もバランス良く学びます。
各学期に一クラスはチームマネジメントや効果的なコミュニケーション方法のような、ソフトスキルを養うクラスもあります。
また、機械学習モデルを作成し、予測分析などを行うクラスもあります。
プログラミングとかしたことないし、わけわからないし不安。という方もいらっしゃると思いますが、大丈夫です。もちろんみんなコードで苦労はしますし、するべきですが、コードについては一から自力で書くというよりも、AIを有効活用して効率的に進めよう。というのが多くの教授の方針です。
コードという手段よりも、どんなデータからどのように何を分析し、どう解釈し、どのように人に伝えるか。ということがBusiness Analyticsの本質かと思います。
今までエクセルでちまちまやっていた処理をPython等で処理すれば、迅速な処理や深みがある分析ができるので、どのようにご自身の仕事に活かせるかを考えながら授業を受けると、卒業後にも学んだことをすぐに活かせるのではないでしょうか。
私の年度のMBANは大所帯なのでMBAN1, MBAN2の2つのcohortに分かれていました。それぞれ50-60人くらいの学生がいました。どちらかのcohortに所属し、異なるスケジュール(どっちか午前でどっちか午後というかんじ)で授業を受けますが、秋学期が終わった時点で各cohortから20人くらいが別のcohortへ交換で送り込まれます。選ばれた場合は、仲のいいクラスメイトと別クラスになってしまう可能性がありますが、新たな交友関係を築くチャンスでもあるので、落ち込まないでください。(とはいえ、異動者発表時はクラスが動揺していました。)
クラスメイトは学部から入学している学生もいますが、多くが何らかの仕事をし、専門性を持っている印象です。その中で、その専門性とBusiness Analyticsを組み合わせて業務に活かす予定の学生、キャリアチェンジを志望する学生など目的は様々ですが、卒業後は大半の学生がアメリカでの就職を目指しています。
カナダMBANとの比較
カナダと言っていますが、一校のしかも一学期しか経験していないので(元カナダクラスメイトから聞いた二・三学期の話も参考)、あくまでHultとその他大勢の中の一個のMBANプログラムの比較ですね。
プログラムやビザ要件等は随時変わるので、最新情報をご参照下さい。
比較項目 | Hult | カナダ(某学校) |
期間 | 1年 | 1年 |
費用 | 高、support有 | 高、support無(公立だったから?) |
カリキュラム | 技術+概念+Business Challenge+Electives
Business Analysis中心。SQLガッツリ学び、Visualizationも多く学ぶので、Analystターゲットな印象。機械学習も学びますが、分析を軸においているクラス構成です。 Business Challengeで3回、異なる角度の実際のケースを扱える。 |
技術+概念+Project Management+提携企業でのコンサル的work+Electives
若干概念多目。機械学習やや多目でしたが、かといって、Data Scientistになるには足りないレベル。 SQLのクラスもあったが、ほぼBeginnerレベルで終了。よって、分析力も若干心配。 実際の企業で長期(2 semesters)職業体験できるのはプラス。 |
クラスメイトの出身国 | ほぼ留学生
多様な出身国。 |
70%位留学生
中国とインド出身者がクラスの60%以上。 |
卒業後の就業 | STEM OPT 3年 | PGWP 3年 |
ボストン生活
ボストンでの生活は大変気に入っています。
生活費は高いですが、程よく都会で自然も豊富。治安面も比較的安全、歴史的な街並みを散歩しても飽きません。
外食は高いので、基本一人ではしません。日本にいた頃のように、疲れたからできあいの食べるもの買って帰ろう。ということもなるべくせずに、自炊を心がけています。日本のコンビニが恋しいです。
私は学外にアパートを借りて住んでいますが、そのアパートも築100年超えで室内の床が傾いています。近所の建物も同様に古いので、毎日歴史を感じられます。
私自身危険な目にあったことはないので、治安は比較的良好と書きましたが、もちろんボストンにも治安の良くないエリアもあります。ただ、あえて自分でそのような場所に行かなければ問題はありません。
ボストンの冬は寒いのでは?と思われる方もいらっしゃると思いますが、冬は長くて寒いです。年にもよると思いますが、昨冬は-10度くらいまで下がりました。すぐに慣れ、0度くらいだと今日寒くないな。と思えるようになりました。

写真:Hultのグループmeeting roomより。季節の移り変わりが綺麗な街です。
まとめ
この記事では、HultのMBANについて、カナダMBANとの比較、ボストンでの生活も交えてご紹介しました。
つらつらと書いてきましたが、HultのMBANに通って良かったと思っています。
コンサルや経理・財務としての業務経験と、MBANで学んだ分析スキルが結びついて、「なんとなくの経験値」ではなく、ロジックやデータに基づいた分析や説明ができるようになり、何より今後の業務効率化に活かせそうなので、これは仕事に戻ったときに大きな武器になると思っています。
また、英語での学びや生活に不安があった私でも何とかやってこれたので、「やってみたいけど不安…」という方には、やってみれば何とかなる。とお伝えしたいです。
特にHultのプログラムは、分析やロジックを軸にしたカリキュラム構成が特徴で、SQLやビジュアライゼーションなどをしっかり学ぶ機会が多い印象です。分析を中心に学びたい方や、手を動かしながら実務的スキルを高めたい方には、非常に良い環境だと感じました。
逆に、研究寄りやアカデミックな内容を深めたい人、Data Scientist志望であれば、もう少し理論重視・研究要素が強いプログラムの方が合っているかもしれません。
最後に、これからMBANや留学を検討している方にお伝えしたいのは、「全てを完璧にしなくていい」ということです。特に技術も英語も、まじめにやっていれば必ず上達しますし、AIの力も借りながら、考え方と伝え方を学ぶ姿勢が大切だと感じました。
私の経験が、少しでも参考になれば嬉しいです。最後まで読んでくださって、ありがとうございました。